スーパーカブやモンキー系統のカスタムでは定番中の定番となる「リアサス交換」について。
作業を順調に進めていったときに突然立ちはだかる大きな壁。
それは「ゴムブッシュの中に入っている鉄製のカラーの内径が合わない」というハプニング。
しかしご安心ください。
実は、特殊な工具などを使わずに簡単確実にカラーを交換する方法があります。
その辺に転がっているモノで交換できる?!
私が所有するバイクはホンダCL50ベンリィです。
リアサスの交換を検討しいろいろと物色した結果パーツも無事に手に入れることができましたので、この車両を使って交換作業を行います。
購入したリアサス
さて、今回購入したパーツはCL50と同じホンダの人気車種モンキーやカブ系統の車両に対応した、長さ350mmのYSS製汎用リアショックです。
モンキーやカブ、CL50などは2本のショックが必要なので2本/組のセットで購入となります。
金額は送料など含め、約¥8,500/セットでした。
YSS DTGハイパフォーマンスGASショックアブソーバー350mm
購入前に過去の失敗などを考慮しつつ部品選びは慎重に行っていたのですが、実は今回も予想していなかった部分に調整が必要となりました。
それでは早速ですが、交換作業に入りたいと思います。
パーツの詳細を確認
まずは購入したパーツの内容を確認します。
ここで商品を確認することで、後々のトラブルを極力避けてスムーズに交換作業を進めていきたいですね。
内容物と取扱い説明書の記載内容を確認
リアサス自体は2つの梱包に分かれていますが片方の梱包に、取り扱い説明書・ステッカー&カラー・スケールなどが同梱されています。
もう片方にはリアサス本体とスケールのみが入っています。
先にあけた梱包にカラーなどが入っていれば良いですが、入っていなかった場合にももう片方の梱包の中身を確認してください。
それでも入っていなければ購入先に連絡しましょう。
YSSの取扱説明書を読むとサスペンションの調整方法は記載されていますが、交換方法は記載がないので初めて交換するかたは少し戸惑うことがあるかもしれません。
ご自身で交換しようとするくらいですから心配は無用かもしれませんが、もしかすると途中で作業を中止しなくてはならない部分がでてくるかもしれません。
今回はYSS製のDTGハイパフォーマンスGASショックアブソーバーをCL50やカブに取り付けるにあたって、少し手間がかかる作業内容とDIYで乗り越える方法などをご紹介しながら交換作業をすすめていきたいと思います。
カラーの内径を計測(ノーマル&YSS製)
スーパーカブやCL50のリアサスは上下2個所のみで車体に取り付けられています。
上側はフレーム後方のシート下あたり、下側はスイングアームの後方あたりです。
この2か所にボルトがたてられていてリアサスをナットで締め付けるのですが、ボルトの軸の太さが上下で異なっているのです。
その軸の直径は上側が12mmで下側が10mmです。
CL50ノーマルリアサス 上側カラー内径12mm
そして、YSS製のDTGハイパフォーマンスGASショックアブソーバーですが、購入時にはリアサスの取り付け位置のカラーは上下共に10mm用のものが装着されています。
ということは、上側のカラーを内径12mm用へ交換する必要がありますね・・・
YSS製リアサス 出荷時カラー内径10mm
ところが、このカラーはかなり固くは収まっているので、普通の人間では素手で取り換えるのは無理だと思います。
皆さんがリアサスを交換している場所に万力などの特殊な工具があれば話は変わってきますが、バイク屋さんでもない限り準備していないことのほうが多いですよね?
では、一体どうすれば簡単にリアサスのカラーを交換できるのか?をご紹介したいと思います。
用意するもの
まずは準備する小道具たちです。
- 太さ10mm×長さ100mmほどのボルト(全ねじ)×1本
- 1に合うナット×1ケ
- 穴径10mm~12mm程度かつ直径20mm程度で強度のあるワッシャー×2枚
- 交換するカラーが貫通可能かつ直径20mm×長さ20mm程度の筒状のもの×1ケ
- 交換するカラー(穴径12mm)
簡単確実なカラーの交換方法
用意した5つの小道具を使って、下の画像のように組み立てます。
新しいカラーはナット側が作業しやすいと思います
上側のカラー(内径10mm用)を、今回取り付けたいカラー(内径12mm用)と、4で準備した筒状の道具で挟み込むようにします。
その状態で1の全ネジボルトの頭側にワッシャーを入れカラー内を貫通させたら、反対側にもワッシャーを入れてナットで締めこみます。
そうすると、上の画像のような状態になります。
さて、ここまできたら後はカラーの位置がズレないよう注意しながら、少しずつナットを締め付けていくだけです。
さあ、少しずつナットを締めこんでいきますよ・・・
上の画像は半分くらいまでナットを締め付けたところです。
ナットとワッシャーに押された新しカラーが、古いカラーを押し出してゴムブッシュの中へとスライドしていきます。(黒い塩ビパイプが透明だったら、もっとわかりやすかったでしょう)
このとき、もともと装着されていた穴径10mmのカラーは塩ビパイプの中にスライドしてきますので、準備する4.筒状のモノは穴径と長さもそれを見越したサイズで準備しておいてください。
交換完了。ナットをゆるめてボルトを抜き取ります。
もともと装着されていた穴径10mmのカラーを、あたらしく取り付けた穴径12mmのカラーで押し出して交換が完了しました。
これなら専用工具や難しい作業を必要としないので、カブ系のリアサスのカラー交換がどなたでも簡単にできてしまうのではないでしょうか?
今回はホンダCL50ベンリィのYSS製カブ系リアサス350mmへの交換作業の事前準備として、リアサスの簡単なカラーの交換方法をご紹介いたしました。
次回からはいよいよリアサスペンション(ショックアブソーバー)の交換作業に入っていきます。