2019年に新型が登場し、静粛性と燃費性能の向上が話題の三菱デリカD:5。
ところで、デリカD:5って街で見かけたら大きく見えませんか?
何を隠そう、私自身も「日本で乗るなら5ナンバーサイズがジャストサイズでしょ!」と考えていました。
デリカD:5は運転しにくいのか?!
街乗りでは持て余してしまうのでは?とか、奥さんが運転を嫌がるのではないか?とか、子育てには向かないのか?などといった声をよく耳にします。
そんなデリカ予備軍の方々の不安に、デリカD:5オーナーの私が体験をもとにお答えしてみます。
ちなみに、デリカD:5の前は5ナンバーサイズのセレナC25(2006年型)に乗っていましたので、その比較などもお話しできればと思います。
人気車種とのボディサイズを比較
まずは、日本国内で正規販売されているライバルになりそうな車種と、デリカD:5とのボディサイズを比べてみました。
各車ボディサイズ (単位=mm)
比較した車種は人気度を考慮して6台の車を選んでみました。
ミニバン界で圧倒的な人気を誇る日産のセレナを筆頭にノア&ボクシーの高級仕様ともいわれるTOYOTAエスクァイア、低燃費なファミリーカーTOYOTAプリウスα、ラージサイズミニバンの代表格TOYOTAアルファード&日産エルグランド、お洒落な輸入車ミニバン代表ルノーのカングー。
TOYOTAのエスティマとHONDAのオデッセイも用途としてライバルになると思いますが、一覧からは省略させていただきました。
それでは、それぞれの横幅・長さ・高さを比較してみましょう。
横幅
まずは横幅の広い順番に並べてみます。
1)アルファード & エルグランド 1,850mm
3)カングー (▲20mm 1位との差)
4)デリカD:5 (▲55mm)
5)プリウスα (▲75mm)
6)セレナ (▲110mm)
7)エスクァイア(▲155mm)
カングーが思ったより横幅が広くて、アルファードなどとほぼ同等のサイズです。
高齢の方が運転されているケースも多いプリウスαは1,775mmと5位になりました。
デリカD:5との差は20mmなので、片側1cmの差ということになります。
子育てファミリーに人気のセレナは1,740mmで6位となっていて、デリカD:5との差が55mm=片側3cm弱ということになります。
デッセイが1,820mm、エスティマは1,810mmでカングーとデリカの間くらいの寸法になっています。
長さ
次は車が長い順番を並べてみましょう。
1)エルグランド 4,975mm
2)アルファード (▲30mm)
3)デリカD:5 (▲185mm)
4)セレナ (▲205mm)
5)エスクァイア(▲280mm)
6)プリウスα (▲345mm)
7)カングー (▲745mm)
最長のエルグランドは5mに迫る長さで、アルファードとの差が3cmあります。
デリカD:5は3位ですが一気に短くなって4,790mmなので、エルグランドより18.5cm短く4位のセレナとは2cmの差になりました。
オデッセイが4,830mm、エスティマは4,820mmありますので、デリカより3~4cm長いということですね。
唯一5ナンバーのエスクァイアが5位で4,695mmに入り、プリウスαは少し短めの4,630mm。
7位のカングーは2列シートということもあって極端に短いボディで、エルグランドより74.5cmも短く、デリカに比べても56cm短いサイズでした。
高さ
最後は高さの比較です。
1)アルファード 1,950mm
2)セレナ (▲75mm)
3)デリカD:5 (▲80mm)
4)エスクァイア(▲125mm)
5)エルグランド(▲135mm)
6)カングー (▲140m)
7)プリウスα (▲375mm)
アルファードが1位であと5cmで2mという高さです。
ランドクルーザー・プラドでも1,885mmなのでかなりの高さであることがわかっていただけると思います。
デリカとセレナがほぼ同じ1,870mm~1,875mmで、5ナンバーのエスクァイアが1,825mm、カングーとエルグランドが1,810~1,815mmとやや低め。
エスティマが1,760mm、オデッセイは1,685mmとかなり低い設定で、プリウスαはさすがに低く1,575mmとなっています。
ちなみに、アルファードの室内高さは1,400mmでセレナ、エスクァイアと同じ。
デリカD:5の室内高さは1,310mm、エルグランドは1,300mm、カングーは1,155mm、プリウスαは1,220mmとなっています。
ちなみに、デリカD5は運転中の目線がかなり高い位置にあるので、視界良好で気持ちいいですよ♪
寸法図の掲載
幅・長さ・高さの比較をしてみて、デリカとセレナが非常に使いサイズであることがわかりました。
2018 デリカD:5(CV-1W)
セレナ E-POWER
このように横幅が55mm、長さが20mm、高さが5mmしか違わない2台の車ですが、キャラクターは全くと言っていいほど異なっているのも面白いですよね。
C25セレナからデリカD:5に乗り換えてみて
まず、着座位置の違いからくる目線の高さがかなり違います。
フロアの床面が高い位置にあるので小さなお子さんやご高齢の方には少し抵抗があるかもしれませんが、地面からの距離が高いことがデリカD:5の特徴でもありますので用途に合わせた選択を。
高さがあることで渋滞時などは遠方が見えやすくなり、精神的な疲労が軽減されそうです。
次に、ガラスエリアとシート形状の違いによる見切りの良さが異なります。
このあたりは実際に運転席に座ってみるとよくわかるのですが、セレナに軍配が上がります。
ガラスが低い位置まで広がっていることと、シートのヘッドレスト部が低めで周囲を見渡しやすくなっているので、車格に慣れるまでの安心感はセレナのほうが大きいでしょう。
ただ、車の大きさはほとんど同じなので時間が経てば気にならなくなると思います。
市街地やワインディングでの走行性能では、セレナのほうがワゴン車的な走りで違和感を感じにくいといえます。
デリカD:5は着座位置が高いことでロールを大きく感じやすいと思われますが、まったりと走る車ですので無理さえしなければ十分な性能です。
それよりもデリカD:5は悪路での走破性に抜群の性能を発揮するので、アクティブな用途ではデリカに軍配があがります。
車内の振動や騒音についてはガソリンエンジンのセレナと比較してもクリーンディーゼルエンジンを搭載しているデリカは遜色ないレベルの静粛性です。
ディーゼルエンジンの特徴として回転数を低く抑えられているので、ガソリンエジンと比べると加速している感じが弱いのですが、実際にはトルクで車を引っ張っていけるのでスルスルと走っていけます。
とくに長距離を一定速度で走行するようなシーンでは、運転そのものを楽に感じることもあるくらいです。
総合的な評価
こうして改めて考えてみると、セレナとデリカでは得意とする分野が違うことがわかりますね。
市街地を中心に乗るのであればセレナ、レジャー重視であればデリカD:5といった感じでしょうか。
セレナの場合には直接のライバルが多いので、切磋琢磨された親切装備が満載され本当に快適な車だと思います。
それを投げうってでもデリカに乗ってみたかった理由は、ディーゼルエンジンを搭載していることと、デリカD:5が持つ独特の雰囲気に魅力を感じていたからです。
これからガンガン使い倒してその魅力にはまってみたいと思います。
半年乗ってみた感想
納車後半年が経過しました。
走行距離も5,000kmを超えて平均燃費は13km/L前後のことが多く、非常に経済的な車です。
ディーゼルの騒音も走行中はほとんど気にならないレベルではないかと感じます。
2020/4/2追記・・・1年半が経過し妻も私もデリカD5のサイズに完全に慣れてしまいました。
居住地近隣のディーラーさんの対応が素晴らしいことも大きく影響していますが、満足度の高い車種だと感じています。
新型に試乗してきました
2019年3月、モデルチェンジした新型にも試乗してみましたが、アイドリングストップのおかげで停車中の静かさは段違いです。
そのほかでは電子制御によるハンドルの安定感を感じました。
内装の質感も乗用車的になっているので、セレナやノア・ボクシー・エスクァイア、アルファードなどを検討しているユーザーからの注目度も高いのだとか。
悪路走破性の高さにアーバンな魅力が追加されたデリカD:5。
安全装備も充実して高級車になっていました。