今回ご紹介するのは、ホンダCD125Tの原型になったスタイリッシュな125ccのバイク、CB125。
1964年の登場から2003年の生産終了(日本国内)に至るまで、実に39年間という長い期間愛され続けてきたバイクです。
幾度となくマイナーチェンジを繰り返し、時代に適合してきたCB125にはいくつかのモデルが存在します。
それでは、早速CB125の歴史を振り返ってみます。
CB125の歴史
CB125が登場した1964年といえば、アジア初のオリンピックとなった「東京オリンピック」が日本で開催された年です。
また、カルビーの「かっぱえびせん」やロッテの「ガーナチョコレート」もこの年に発売されています。
そして、ホンダのS600もこの年に登場しています。
1964年 初登場
1964年、CB92からのフルモデルチェンジで登場したのがCB125です
1964 CB125(CB93)
ベンリィ・スーパースポーツCB92の後継機として登場したCB125の初期型で、正式な車名はベンリィCB125、通称CB93と呼ばれています。
パイプフレームにツインキャブを採用した空冷4ストロークのSHOC並列2気筒180度クランクエンジンを搭載。
ボア×ストロークはCB92と同じ44mm×41mmで、最高出力は15ps/10,500rpm・最大トルクは1.07kg-m/9,200rpm。
この時代ですでに4スト125ccは15馬力もでているんですね。
変速機には4速リターン式マニュアルトランスミッションを搭載。
カムチェーンはシリンダー間センターに配置。初期型のフロントサスペンションは鉄ボトムでしたが、後期型ではアルミボトムに変更されました。
1967年 モデルチェンジ
初登場から3年後となる1967年、モデルチェンジでCB125K1となりボディカラーにメタリック系カラーを採用します。
また、ウインカー類を大型化し、スイッチは横方向へ動かすタイプに変更されました。
エンジンはカムチェーンをシリンダ間のセンターからサイドに移設したCD125系エンジンベースへと変更されました。
これは整備性を考えたのでしょうか?外観ではスピードメーターもCD系と似た台形になり、ライトケース、サイドカバーが樹脂製になったのもこの時期です。
そして、車重が127→110kgとなり、なんと17kgの軽量化に成功しています。
ちなみに、フロントドラムブレーキが160mm径へ小径化という変更も加えられています。
1968年 マイナーチェンジ
翌年1968年のマイナーチェンジでCB125K2となったCB125は、燃料タンクに2トーンカラーを採用。
トランスミッションを4速→5速に変更し、前後フェンダーをメッキ化。
この年からタコメーターを標準装備しました。
そして・・・フロントドラムブレーキを180mm径へと大径化しています。
ちなみに、この時のホンダからの案内では「高速スポーツタイプ(CB125)」と表現されています。
1969年 マイナーチェンジ
1969年にもマイナーチェンジを受けCB125K3となったCB125ですが、この年はフレームをクレードルタイプへ変更し、エンジンはシリンダー部分が直立したタイプになりました。
外観ではフロントフォークの上部とテールライト部分にサイドリフレクター(反射板)を装着。
また、フロントブレーキを握った時にもブレーキランプが点灯するようになったのもK3からだと言われています。
それまではリアブレーキを踏んだ時だけブレーキランプが点灯していたんですね。
このK3は途中から通称K4と呼ばれるリヤサスペンションに変更が加えられ、K3のフルカバードタイプから、K4のスプリングにアッパーカバーがついたタイプに変更されています。
1971年 マイナーチェンジ
この年のマイナーチェジでCB125K5となり、タンクの形状が変更されました。
外観では、ヘッドライトケースに組み込まれていたメーター類を独立させてセパレート化しています。
この年には最高出力14ps/10,500rpm・最大トルク1.0kg-m/9,500rpmへと動力性能にも変更がありました。
1972年 フルモデルチェンジ
1972年にはフルモデルチェンジを受けCB125K6となります。
1972 CB125K6
また、機械式前輪ディスクブレーキを搭載するCB125JX (通称:セニアB6) を追加。
1972 CB125JX
燃料タンクをタンク上部に凹凸のパッドを配置した通称5角台形タンクと呼ばれる形状に変更。
リヤフェンダーのマッドガードとリヤサスペンションスプリングカバーを廃止。
シリンダーフィンは8枚→6枚とし、ダイナモカバーを角→丸型に変更しました。ホンダはCB125を若々しいイメージへと変化させていきます。
1977年 フルモデルチェンジ
K6から5年、1977年のフルモデルチェンジでCB125T-IとなったCB125。
1977 CB125 T-Ⅰ
車体のデザインを、タンクからサイドカバーに繋げる基調のデザインに変更します。
この懐かしくも美しいデザインは、のちのCB750F/CB400Nにも通じるものがありますね。
エンジンは、カムチェーンをシリンダー間配置へ変更し、クランクシャフトはボールベアリング3点支持化となります。
この年式では最高出力16ps/11,500rpm・最大トルク1.0kg-m/10,500rpmに出力を向上させました。同時にセルフスターターを廃止しています。
また、翌1978年にはコムスターホイールのCB125Tを追加しました。
1978 CB125T
1979年 マイナーチェンジ
1979年、この年のマイナーチェンジでは、中低速域出力特性向上の見直しから最高出力を15psにダウンし扱いやすさを追求。
オプションでセミフラットハンドルモデルを追加しました。
同時にアメリカンタイプのCM125、ビジネスタイプのCD125もマイナーチェンジしています。
1979 CM125
1982年 フルモデルチェンジ
その後1981年のマイナーチェンジを経て、1982年にフルモデルチェンジを受け、型式名をCB125T→JC06に変更。
エンジン特性を大幅に見直すことによって最高出力16ps/10,500rpm・最大トルク1.2kg-m/9,000rpmへと向上させます。
1982 CB125T
リヤサスペンションはプロリンク式へ変更。
フロントディスクブレーキをデュアルピストンキャリパー油圧式へ変更。
ホイールをオールアルミ製ブーメラン型スポーツコムスターホイールへ変更。
電装系を6Vから12Vに変更しセルモーターを再度搭載。
エンジン本体を黒塗装に変更と、この年の仕様変更はフルモデルチェンジにふさわしい内容でした。
1984年 マイナーチェンジ
1984年のマイナーチェンジでは、ヘッドライトの明るさを向上させています。
1984 CB125T
1987年 マイナーチェンジ
熟成されたCB125Tですが、1987年にもマイナーチェンジを実施。
キャブレターをCV型2連装へ、さらにホイールを3本スポークのアルミ製キャストホイールへ変更しました。
エンジンは黒塗装を廃止して銀色へ変更になっています。
1987 CB125T
2003年 生産終了
その後は2003年の生産終了までに数回のマイナーチェンジを繰り返しましたが、基本的な部分はほとんど変わっていません。
1990年代から小型自動二輪の免許講習用には多くの教習所でCB125Tが使われていましたが、代替機種が存在しなかったことで生産終了後も多くの教習所で見かけました。
それだけ基本性能や耐久性に対して信頼性の高いモデルだったといえるでしょう。
最後に
なかなか代替機種が出てこなかった教習車仕様のCB125Tですが、2015年終盤になってやっと中国生産であり欧州等で販売されているCB125Fの教習車仕様輸入が決定しました。
CB125F 教習車
CB125Tの2気筒から、単気筒に変わったCB125F。
長きにわたりホンダのスポーツネイキッドという存在をけん引してきたCB125Tは、街中で見かけることは少なくなってきました。
しかし、その性能は2020年代となった現在でもじゅうぶんに通用する性能です。
そして、次世代を担う存在として2018年登場のCB125Rが登場。
CB125Rは水冷単気筒エンジンを搭載していますが、ホンダがCB125で培ってきたロードスポーツ性が引き継がれていると感じます。
一度は乗ってみたい125ccスポーツモデル、ホンダのCB125を紹介しました。