このところ近未来的なレーサーレプリカなどとは少し違ったヴィンテージ感のあるバイク達が増えています。
ネオレトロ。
それは、「伝統的なデザインの車体に最新の技術を投入したエンジンやサスペンションなどを合わせることで、安全かつ走行性能を犠牲にすることなく雰囲気も楽しめる」というものです。
これまでも、人気の車種には性能を向上させるためのカスタムが流行していましたが、中にはベース車両にハイスペックなカスタムを施し、数百万円以上するバイクも珍しくありません。
しかも、年月が経てばたつほどベース車両の個体数も減っていくので、バイクメーカーからの提案とでもいうのでしょうか?古き良き時代の雰囲気を最新の性能で味わえるバイクが多数発売され始めています。
そんなネオレトロブーム?は実は125ccクラスのほうが早くから存在していたようにも感じます。
例えばスクーターのベスパなどもネオレトロというコンセプトに近いものといえるのではないでしょうか?
今回はそんな125ccクラスのネオレトロ・マシンの中から、スポーツタイプの車両を紹介してみたいと思います。
FB モンディアル Hipster
日本にも上陸しているスタイリッシュなバイク。
FB Mondial Hipster 125
イタリアの老舗ブランド「FBモンディアル」についてはSMX125シリーズの記事でも紹介していますが、古くから高い技術を誇り、ホンダの創業者である故本田宗一郎氏もFBモンディアルのバイクを研究していたといわれるほどの技術力をもつメーカーです。
そんなFBモンディアルが現代に放ったバイクがHPS(Hipster)なのです。
それでは、HPS125の諸元表を確認してみましょう。
HPS(Hipster)125 諸元表
スペックシートはHPより引用。
エンジン |
タイプ:4ストローク 単気筒 DOHC4 バルブ |
排気量:124.2 cc |
内径×行程:58 × 47 mm |
圧縮比:12.6 : 1 |
最高出力:11kW at 9,750 rpm |
最大トルク:12.3 Nm at 7,500 rpm |
潤滑方式:ウェットサンプ方式 |
冷却方式:水冷 |
燃料供給装置形式:電子式 |
始動方式:セルフスターター |
変速機形式:6速リターン |
燃料タンク容量:9L |
フレームボディー |
全長:2,016 mm |
全幅:765 mm |
全高:1,060 mm |
軸距:1,370 mm |
最低地上稿:155 mm |
シート高:785 mm |
フロントサスペンション-トラベル:41 mm 倒立フォーク – 90 mm |
リアサスペンション-トラベル:ツインショックアブソーバー – 120 mm |
乾燥重量:130 kg |
フロントブレーキ&ディスク詳細:4ピストンラジアルキャリパー – 280 mm CBS |
リアブレーキ&ディスク詳細:1ピストンフローティングキャリパー – 220 mm CBS |
フロントホイール:2.15 × 18″ |
リアホイール:3.00 × 17″ |
フロントタイヤ:100 / 90 – 18″ |
リアタイヤ:130 / 80 – 17″ |
希望小売価格:363,000円(税別) |
2018年5月現在
125ccクラスのDOHC水冷エエンジン搭載車両としては戦略的ともいえる設定で、希望小売価格は税別¥363,000-。
税込みでは¥392,040-となりますので、2018年に発売されたホンダのNEWモデル・モンキー125のABS無し¥399,600-(税込み)よりも安価に設定されていることがわかります。
外観&主要諸元からみえてくる性能
エンジンはアプリリアのRX125などにも採用されているピアジオ社製のDOHC4バルブを搭載しているのでしょう。
おそらくショートストロークで高回転型の回して楽しいエンジンです。
足回りの装備もフロントは倒立&リアはツインショックでネオレトロな雰囲気が漂います。
ブレーキは前後ディスクブレーキとして制動力を高めているので、エンジン性能をじゅうぶんに発揮させられる車体になっているのではないでしょうか?
タイヤはスクランブラーな雰囲気のフロント18インチ、リア17インチのホイールとなっていて少し太めタイヤが装着されています。
マフラーはカスタムの必要がないほど造形が素晴らしいサイレンサー2本だしのアップタイプ。
このマフラーは少し横方向への飛び出しが強めなので、ステップの踏み方によっては「くるぶし~ふくらはぎあたりが気になる」方がいらっしゃるかもしれませんね。
その対策として「右側のステップを35mmオフセットする」パーツの販売をしているところもありました。
実際に車両を取り扱いしている販売店さんのようですので、実車に触れて改善の必要性を感じられたのでしょう。
HPSの装備内容ならその他のアフターパーツを装着する必要もなさそうなので、コストパフォーマンスも素晴らしいのではないでしょうか?
HPS125 主要装備
細かい部分まで造りこまれたHPS125ですが、各部のパーツをもう少し詳しく見てみましょう。
低く構えたハンドルバーにデジタルの単眼メーター
メーターの外周にある小窓には、ニュートラルランプやガソリン警告灯が表示されます。
中心部に大き目の数字で速度表示となり、その周囲をデジタル棒グラフのようなタコメーターが円形に表示されます。オドメーターとデジタルタコメーターの切り替え等の機能も備わっているようです。
こだわりを感じる形状のシート
ネオレトロ感のある独特な形状のシートは日本車にはない造形ですね。
HPSにはタンデムステップも装備されているようなので、このシートに2人のりするのでしょうか?配色などはさすがのイタリアンですので、耐久性が良ければ満足度は高いと感じます。
白ベースと黒ベースのカラーがあります
タンク(タンクカバー?)のヒザ部分は大きく切り込まれ前方に向かってオフロード車のシュラウドのように広がる形状は、KTMのDUKEなどにも共通した実用性&高級感の高い造形となっています。
派生モデルが存在する?
同じくFBモンディアルが販売しているネオレトロ感たっぷりのモデルに、HPS125をベースにしていると思われる車種が存在しています。
219年6月ごろから日本国内導入の噂も出ているPAGANIが、あまりにも素敵なので別の記事で詳しく紹介しています。
特徴的なマフラーの取り回しや、ツインリアショック、倒立フォークなどHPS125と共通する部分が多いように思います。
ぜひ日本国内でも販売して欲しいですね!