2020年11月、新型CRF250Lが発表されました。
ダート走行性能に磨きをかけたCRF250Lに対し、中古車を含めたライバルたちはどのような違いがあるのでしょう?
CRF250L ダート性能に絞って比較
国産車の中から比較対象に選んだのは、2007年に発売されたオフロードのR1 YAMAHA WR250R、2019年に登場し扱いやすさを追求したFUN RIDEマシン KAWASAKI KLX230の2台。
そして、オフロードモデルの最高峰と思えるオーストリアのKTMからエンデューロモデル 250EXC-Fを加え、合計4台での比較となります。
2020 CRF250L<s>
簡易比較表
ダート性能に注目してはいますが、完全なクロ-ズドコース専用車両としてではなく市街地走行も視野に入れた車両でもあります。
そのあたりも踏まえて各車両のスペックを比較する表を作成してみました。
250ccトレール車 簡易比較表
シート高
ノーマルのままエンデューロレースに出ることが出来るといわれているWR250Rは895mmのシート高です。
またがった時にサスが1/3ほど沈み込むのが理想と言われているため、ホールトラベル270mmの1/3=90mm沈み込んだとすると、805mmほどのシート高になります。
2020年新型になったCRF250Lには<S>というサス長を延ばしたタイプが存在し、シート高は880mmです。
同じように1Gでの沈み込みを考慮すると、260÷3=約87mmとなり、その時のシ-ト高は約793mmです。
これと同様に考えるとKLX230=約810mm、250EXC-F=約857mmとなります。
KLX230はハイシートのような形状
最も尖っていないと思われるKLX230のシ-ト高がかなり高いのは意外でしたが、シート形状がダート走行に特化したものであることが影響しています。
前後への体重移動が行いやすく、扱いやすさに大きく貢献していると思われます。
ホイールトラベル
2007年の登場以来、おおよそ10年間にわたりスペックに変更がなかったWR250Rは、モトクロッサーYZ250Fのレプリカと呼べる存在でした。
2017 WR250R
WR250Rのホイールトラベルは前後共に270mm。
KTMのEXC-Fに比べれば▲30~40mmの差がありますが、KLX230より50mmほどストローク量が大きいサスペンションとなります。
2020年の新型CRF250Lは、これと10mm差の前後260mmのストローク量となっています。
参考までに、ホンダのモトクロッサーCRF150RⅡ(F19インチ・R16インチ)のホイールトラベル量はF=275mm・R=282mm。
エンデューロレース競技用車両CRF250RXのホイールトラベルは、F=305mm・R=317mmです。
本格的なダート用車両はストロークの長いサスペンションが与えられていますね。
重量・出力・価格
さすがにKTMの103kgにはかないませんが、国産トレール車も130~140kgと貢献しています。
2021 KTM 250EXC-F
WR250RやCRF250L、KLX230も、ダート走行時に不要な保安部品などを取り外しマフラーなどで軽量化を行えば、数キログラムの減量も可能だと思われます。
最高出力は国産トレール車の中でWR250Rが31PSと群を抜いています。
ただ、オフロードでは下手にパワーがあると扱いづらいこともあるため、KLX230やCRF250Lは上級者以外にも扱いやすいマシンであることが想像できます。
最後に予算的な問題ですが、KTMはこれ以上何も必要ないとも思える状態で約123万です。
WR250Rはサスペンションの減衰力調整機構が備わっていたりとハイスペックですが、中古もさほど値が下がらず、タイヤ・エキゾーストなどを交換する場合そこそこの予算となりそうです。
CRF250Lは旧型から約10万円の値上がりとなりましたが、ダート性能が向上した部分もありバランス良い車両に思えます。
KLX230は目を引く性能は無いものの、ダート走行を楽しむのにじゅうぶんな性能を与えられ、バイクのある生活を肩ひじ張らずに楽しめそうです。
ダート走行を安全に楽しむためには、バイク以外にも、ヘルメット・ゴ-グル・ブーツ・グローブ・プロテクター類などなど多くのグッズが必要なので、低予算で入手できることはありがたいですね。