日本で最もバイク熱が高まっていた時期といえば、1980年代でしょう。
当時は技術の進化や規制緩和がすすみ、サーキットからそのまま飛び出してきたようなレーサーレプリカが登場します。
革つなぎを身にまとい峠に向かうバイカーを市街地で見かけることも多かった時代です。
そんな1980年代には、ロードバイクに負けずオフロードモデルにも過激なマシンが存在していました。
1980年代の2スト・オフローダー
軽量かつハイパワーな2ストロークエンジン搭載のオフロードバイクは、ダートで飛んだり跳ねたり振り回したりするのに適していました。
200ccオーバーのマシンも多くラインナップされていましたが、手軽さという面からも人気が高かったのは原付2種登録が出来る125ccクラスでした。
ホンダはMTX125R、ヤマハはDT125R、スズキはTS125R、カワサキはKDX125SRと、どれも排気量は125cc。
2ストロークのエンジンを搭載し最高出力は20馬力以上、フルサイズの車体に懐の深い前後サスペンションを装備していました。
日本の4大メーカーが送り出したオフロードモデル達
各車両の詳細はリンクからご覧いただけます。
日本国内ではマイナーと思われている原付2種ですが、国内の新規登録台数のうち約30%が51cc~124ccのバイクなのだそうです。
任意保険も自動車のファミリーバイク特約で契約できて、毎日の市街地走行には気負わずに乗れて経済的。
さらに走行性能も50cc未満とは比較にならないほど優れている車両が多いのが125ccクラスの特徴です。
維持費を低く抑えられるので、長く所有していられるバイクということも人気の理由でしょう。
2000~2010年代の4ストオフ車
2000年代~2010年代に入ると、日本国内ではホンダとカワサキから原付2種の4ストロークエンジンを搭載したオフ&モタードモデルが販売されました。
2010年頃、ホンダのXR100モタード(完全ノーマル)に乗ってカートコースで行われたモタードの草レースに出たことがあるのですが、KLX125(完全ノーマル)に直線で軽々と追い越されました。
KLX125はブロックパターンのタイヤ、XR100モタードは12インチのハイグリップタイヤを履いていたので、コーナーで抜いて直線で抜かれ・・・を繰り返し、かなり楽しめたレースでした。
わずか25ccの差ですが約1.25倍の排気量から生み出される加速力の差は大きく、トルクフルな立ち上がりで走行安定性をもたらしてくれます。
また、XR100モタードはエイプ100やCRF100Fと同じエンジンなので、ハイカム&吸気&排気をカスタムするだけで戦闘力は飛躍的にあがります。
サーキットでは排気量100ccのままでの最高速が120km/h前後に達するとも言われています。
XR100モタード サーキット走行画像
125ccクラスの海外モデル(2019年現在)
125ccクラスのオフロードバイクという観点から、海外勢に目を向けてみましょう。
今では少数派となってしまった2ストローク車も販売されています。
クローズドコース専用 ハスクバーナ 2スト125cc
クローズドコース専用 KTM 2スト125cc
さらに海外の小排気量バイクに目を向けると、経済発展も著しく2輪車市場が盛り上がっているインドネシアなどでは、125cc前後のオフロードモデルの人気が高いという声が聞こえてきます。
海外にはKLX150という車種が存在する
実際にkawasakiも空冷エンジンを搭載したKLX150を販売しています。
また、台湾では電動スクーターのインフラ整備がすすみ、電動モビリティが一般ユーザーに浸透しているともいわれています。
ハイパワーな2ストの他に4スト水冷エンジンを搭載したバイクにも興味がありますが、電動化されたオフロードバイクも徐々に車種が増えてきましたね!
バイク業界もこれからは電動化が一気にすすんでいくのでしょうか?