いやになる外壁の藻・カビ その発生原因と除去方法について

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戸建て住宅を取得しようと考えている方へ向けた外壁部分のメンテナンス記事です。

外壁に関する悩みや相談ごとでおそらく一番多いのが藻・コケやカビの発生でしょう。

なぜ発生する?コケや藻・カビ

工務店や建築会社から「コケをきれいに取り除きたい」と相談を受けることがあります。

建築会社も建て主から相談されて「除去方法」を問い合わせていることがほとんどでしょう。

その方法はいくつかありますが、藻・コケ・カビを放置していた場合にどのような症状が現れるのかを考えてみます。

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1)見た目が悪い・・・藻やカビは壁に広がると見た目が非常に悪くなって、古い建物にみえてしまいます。

2)除去後の壁がまだらになる・・・そのまま放っておくと、藻やカビがついている部分は外壁材に紫外線が当たらないで、藻やコケが付着していない部分よりも色あせが遅れます。

そうすると周りと少し色が変わって見えることから、まだらな色の壁になってしまうこともあります。

この症状は、近年人気の高い色の濃い外壁に起こりやすい症状です。

3)外壁の隙間に深く入り込む・・・外壁表面にうっすらと繁殖しはじめたコケはすぐに除去できますが、長く放置すると厚みのあるコケに育ってしまいます。

そうなってしまうと簡単には除去しにくくなるうえに、壁の裏側まで回り込んでしまう危険性も出てきます。

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このように、コケや藻・カビなどはすぐに悪さをするわけではないのですが、放置してしまうとやっかいな生物です。

今回は、コケ・藻・カビがどのような特性を持つのか?という視点から、これらが発生したときの対処方法までを紹介していきます。

藻・コケ・カビ=生き物 その特性は?

たまに聞かれるのが「藻が生えた」という表現ですが、これは正しくもあり間違ってもいる表現でしょう。

屋根やサッシ、カーポートやサイディング、基礎コンクリートなど、そのなかから藻やコケ・カビは生えてくることはありません。

表面に種(胞子)が付着し、その場所に栄養があればそこで育ってしまうので、様々な場所で発生を目にすることになります。

そんな彼らにもそれぞれに異なる特徴があるのです。

それぞれの特徴

藻は光合成で自ら育つための栄養を作り出すことが出来るのに対して、カビは自分で栄養を作る能力は持っていません。

藻とカビに共通しているのは、生育に適度な水分が必要であるということです。

藻は藻類(そうるい)と呼ばれる生物で、詳しいことは書けませんが簡単に言い表すとすれば「水中に住む植物」といったところでしょうか。

この藻類にはかなり多くの種類が存在していて、深海~陸上の湿った場所まで広くその生育範囲が及んでいます。言ってしまえばどこでも生きていける生物なのです。

このように生命力の非常に強い生物なので、水中でなくとも水分のある様々な場所で見かけることが多いのです。

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先ほどもお伝えしましたが、外壁は面積が大きく繁殖が目立つことから「壁から藻が生えた」と思われがちですが、材料の中から生えているのではなく屋外からやってきて壁に繁殖する生物なのです。

壁の近くにはサッシ・エアコンの室外機・給湯器・カーポート・フェンス・ブロック塀など、多くの水分をとどめやすい場所がありますので、このような部分にも藻やカビが発生していないか?注意してみる必要があります。

長い歴史を持つ生物

地球の歴史が約46億年といわれています。

その中で、陸上の植物の歴史が約5億年といわれていますが、藻などの藻類の歴史は30億年にもなります。

それに対して、カビは10億年の歴史がある微生物の一群といわれています。

種類も10万種類ほど確認されていて、有害なものと無害なものが存在しています。

そして、その増殖力はすさまじく、自然界で動物の死骸を分解する場合などは非常に役立っているのも事実です。

よく黒っぽく見えているのはカビの胞子なのだそうです。

胞子ができる前のカビは、ほとんどが白っぽく見えます。

室内でも脱衣所の隅など暗い部分にブルーライトをあてると若いカビが見えるそうですよ。

そのカビの胞子が空気中に飛び散って、水分や養分がある場所に付着するとそこで繁殖します。

カビは同じような湿気の多い場所を好むので、枯れた藻の死骸などがカビの養分となる場合も多いといわれています。

いずれにせよ、人類とはかけはなれた歴史と生命力を持つ生物だということがなんとなく理解できたのではないでしょうか?

藻・カビの除去方法

ここまでで、栄養分があると藻やカビの発生につながることがご理解いただけたかと思います。

まず、日頃のお手入れとして、藻やカビの栄養となるほこり汚れを洗い流しておくことが大切です。

基本的には水洗いで良いのですが、鳥の糞などこびりついてしまった汚れには、中性洗剤と柔らかい布などを使うと洗い流しやすくなりますので試してみてください。

外壁表面に少しでも緑色の藻が生えてきたな・・・と感じたら、藻の繁殖を阻止するため出来るだけ早く取り除くことがとても重要になります。

柔らかい布でこすり取ることが出来ればよいのですが、凹凸の多いデザインなどはきれいに取り除くことが難しい場合もあります。

高圧洗浄は危険です!

このとき高圧での洗浄を考えるかたも多いと思いますが、塗装を痛める危険があるので避けてください。

塗装面の硬さのイメージは鉛筆の芯でいうとH~HBくらいなのだそうです。

そこに高圧洗浄を施すと塗膜ごと剥がしてしまう可能性があります。

凹部に入り込んだ藻などの汚れは、時間はかかりますが柔らかめのブラシなどを使って凹部から掻き出すようにするとよいでしょう。

藻やカビの生育が進んでしまった場合には、中性洗剤だけでは除去できないことが多くなってきます。

そのようなときには市販の薬品を使って清掃することになるかと思います。

そこでNYG(日本窯業外装材協会)という団体の推奨している薬品を2種類ご紹介いたします。

藻・コケ・カビ除去剤 NYGオススメ品

このNYGという団体は国内の窯業系サイディング製造メーカーが集まって運営している団体です。

注)2018/3/31 オスモガーデンクリーナーは販売を終了したもようです。

2018年7月に再度確認したところ、販売を再開していました。

ご利用の際には製造元の注意事項を守ったうえで自己責任にてお願いいたします。

ワンステップ・スプレー・クリーナー

引用元:アルタン(株)

私はこのワンステップ・スプレー・クリーナーを使用したことがありますが、藻に直接吹きかけて数日間放置しただけで、すごくキレイになっていました。

発売元はアルタン株式会社となっています。

以下は発売元(アルタン)のHPから引用

■商品特徴■

屋外のカビ・コケ・地衣植物(菌類と藻類の共生体で固く除去し難い)、藍藻類の除去および発生防止のために特別に開発した、効果抜群の屋外用クリーナーです。
効果は遅効性ですが散布後はそのまま放置しておくだけ(水洗いは不要)です。
噴霧後2〜4週間(対象物によっては数か月)かけて徐々に枯れながら完全に死滅(除去)していきます。
また、散布後に製剤が表面に染み込み残るので、防カビ・防コケ(再発抑制)効果もあります。

アルキル・ジメチル・ベンジル・アンモニウム・クロライド(別名:塩化ベンザルコニウム塩)を主成分(標準液:2%濃度、濃縮液9.9%濃度)とし、その他数種類の成分を独特な配合で取り入れたクリーナーですので、塩素系の洗剤が使用できない所にも使用できます。

■使用できないもの■

金属製品、合成樹脂製品などはシミやサビの原因となることがあるので使用できません。

■住宅建材への適応性の安全性■

代表的な建材(各種外壁材、タイル、レンガ、木材等)に直接散布しても影響がなく安全であることを確認しています

実際に「ワンステップ・スプレー・クリーナー」を自宅の壁に使用し、経過観測の記録を別の記事でご紹介しています。

1)除去剤散布

2)1週間経過

3)2週間経過

4)3週間経過

5)1か月経過

6)3か月経過

オスモ ガーデンクリーナー 

注)2018/3/31をもって販売終了となったもようです。

理由はわかりませんが、販売を終了していますね・・・

2018年7月に再度確認したところ、販売が再開されていました。

発売元 オスモ&エーデル株式会社

2018/4/1現在 

販売期間終了となっていて、注文することができなくなりました。

2018年7月現在、販売再開となっています。

以下は発売元のHPより引用

■製品特徴■

・屋外用

・様々な木部、プラスチック部、石、コンクリート、レンガ、タイル、ガラスやガーデン家具に使えます。

・手間をかけず藻を根こそぎキレイに消し去ることができ、予防効果もあります。においもほとんどありません。

・藻の濃さによって現役、又は2~10倍に希釈したものを直接塗布又は、スプレーボトルに入れて吹きかけます。

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除去作業時の注意事項など

このような薬品を使って藻やカビの除去するときには、高い所への作業がでてくることもありますよね。

平屋でも切妻屋根の軒下は4Mを超えることもあります。

また、2階建てなら最低でも6M・最大で9M近い高さに到達します。

高い場所での作業は非常に危険を伴いますので、建築会社や塗装業者に清掃作業を依頼するのもよいかもしれません。

通常、高所での作業には足場を必要としますので依頼時には必ず見積もりを出していただき、金額の確認をしてからご納得のうえで依頼するようにしてください。

思ったより高かった!などといったトラブルをさけるためには建て主様自身の確認も必要です。

業者に頼むほどでもないけれど、もうちょっと上のほうまで届かないかな?・・・そんな時には塗装用のローラーに薬品をしみこませて、伸縮棒を使って塗る方法もあるようです。

塗料用ローラー+桶

伸縮棒

これなら、ある程度の高さまではとどきそうですね。

以上、藻やカビの発生原因や除去方法についてご案内させていただきました。

今回の記事のまとめ

カビはタフな生物である

高圧洗浄は危険

カビ用専用の薬品が売っている(利用は自己責任にてお願いいたします)

高所作業は無理をして行わない



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