2019年10月から第4のキャリアとなる楽天モバイル。
2018年4月9日、楽天は総務大臣から携帯電話キャリア(モバイル・ネットワーク・オペレーター=MNO)として認可を受けたことを発表し、今後の展開が明らかになりつつあります。
すでに楽天モバイルのユーザーである私にとって非常に重要な話題であると同時に通信業界に大きな変革をもたらす可能性がある今回の楽天のキャリア認定について、詳しく調べていきたいと思います。
楽天モバイル自社回線へ移行を予定
当初の予想では設備投資で大きく出遅れるのではないかとの見方が大半でしたが、これまでの常識を打ち破り「クラウド型」で展開するという方法を発表しました。
大幅な設備投資を必要とせず展開できるという自信があったのでしょう。
さすが楽天といいますか、総務大臣から携帯電話周波数帯域に関する認定書を受け取ったときの笑顔の裏に余裕を感じたのもこれで納得できます。
ただ、通信に支障をきたしてはいけないので、システムには余裕を持たせた設計を期待したいところです。
自社回線のSIMカード
2019年3月14日の10:00以降に新規申し込みをされた方には、2019年10月以降に順次、楽天モバイルから自社回線のSIMが届くことが案内されました。
SIMを入れ替えなくても当面はMVNO回線のまま使えるようですが、通信速度などで差が出てくれば楽天SIMに入れ替えるほうが良いでしょう。
いずれは自社回線に統合すると思うので、楽天も自社回線のSIMカードへの入れかえを推奨しています。
また、それ以前に契約している既存ユーザーへの対応は、2019年5月15日現在、まだ発表されていません。
楽天の自社回線対応機種は11機種のみ(2019年5月現在)
2019年10月以降のMNO回線に対応している機種は、HPに掲載された11機種(スマートフォン10機種+ルータ1機種)となっているので注意が必要です。
SHARP製スマートフォン
AQUOS zero SH-M10
AQUOS R2 compact SH-M09
AQUOS sense2 SH-M08
AQUOS sense plus SH-M07
AQUOS R compact SH-M06
AQUOS sense lite SH-M05
HUAWEI製スマートフォン
HUAWEI nova lite 3
OPPO製スマートフォン
AX7
R17 Pro
Find X
NEC製ルータ
Aterm MR05LN
これから端末を購入する方は、上記対応機種がオススメです。
楽天 三木谷社長のコメント
楽天の三木谷社長は2017年12月18日の自身のTwitterで、こうコメントしていました。
楽天の携帯事業参入意向表明。カード事業参入の時も、いろいろと言われたが、10年が経ち、取扱高、利益水準も業界トップ(クラス)になった。
MVNOの好調さ、9000万人を超える会員ベースを考えても、参入は自然な流れだと思う。
もし認められれば、より快適で安価なサービスが提供できるように頑張ります。
(本文まま)
そして、2018年4月9日 午後6時45分のTwittrでは
先程、野田総務大臣より携帯電話周波数帯域に関する認定書を正式に頂きました。
と、笑顔での写真付きで更新しています。
このツイートに対しては、応援している旨のコメントが多く寄せられています。
もちろん、批判的なコメントもありますが、心配している=内心は嬉しい、という感じのコメントが多いようにも感じました。
さて、今後の楽天の携帯事業が直面する内容には、いったどのような事態が予測されるのでしょうか?
1.7GHz帯の免許が付与されたが、楽天に対しては「条件付き」
2018年4月6日、総務省の諮問機関である「電波監理審議会」が開催されています。
この時に、楽天に対しての1.7GHz帯の免許付与が決定しました。
しかし既存のキャリア3社とは異なる「条件付き」での話です。
ご存知の通り、楽天は現在すでにMVNOとして携帯電話事業に参入していますが、ネットワークはNTTドコモから借りる形でサービスの提供を行っています。
総務省が今回の認定にこの条件を付けた理由は、MVNOとしてサービスを提供するならば、借り物ではなく自社のネットワークで運営しなさいということなのでしょう。
こうしてみると、総務省は楽天に許可は出したものの参入を成功させつつもりがあるのか?と疑問視したくもなります。
楽天は年間6000億円を投じてネットワークの構築をすすめていくことを宣言していますが、既存のキャリアではごく当たり前の投資額だというから驚きです。
むしろ少ないとまで言われていますよね。
ただ、単純に考えると楽天が投資することで、関連業者には仕事が発生しますので、楽天参入による市場の活性化にはつながるのでしょうか?
MVNOとして140万の顧客をもつ楽天モバイルですが、自社で携帯電話事業を行うとなるとネットワークを提供しているNTTドコモとは完全なライバル関係になります。
これによって予測されるデメリットもささやかれています。私を含む楽天モバイルユーザーにとっての一番の心配はここだと思っています。
2019年の10月にMNOとしてのサービス開始を計画している楽天ですが、料金プランはMVNOの楽天モバイルと同じプラン&同じ料金体制になるようです。
また、法人向けや大容量プランの導入も検討しているとのことなので、一ユーザーとしては期待して待つしかありませんね。
日本の携帯電話業界について
日本の携帯電話事業については、かねてから海外の有識者が疑問を投げかけていました。
アメリカからは「総務省のせいで日本の携帯電話料金がおかしなことになっている。」とまで指摘されているのをご存知でしたか?
総務省によって導入された端末購入の補助に関する規制は、公正な競争を促進することが目的だったはずなのに、結果的にユーザーと大手キャリアとの長期契約という真逆の姿に結び付く流れとなりました。
割引を規制したことで端末代金=高いという印象を与え、新品を購入するには長期での分割払いを選択するユーザーが増えたことが原因でしょう。
「それでは、中古の流通を促進させることで、買い替えの需要を発掘しようではないか!」となったのかはわかりませんが、2017年の年末に「中古端末の流通促進」が議題に上がっています。
ちょっと待ってください・・・スマートフォンの進化はパソコンより早いと思うのですが、定期的にスマートフォンの買い替えをするようなユーザーの中に、中古端末に魅力を感じるユーザーがどれだけいるのでしょうか?
そもそも中古の流通量を増やすには新品が売れていなければいけないわけで、私にはとても上手くいく施策には思えません。
それよりも、従来のわかりにくい料金体系をやめさせて、単純明快な価格競争を促してくれるのではなかったのか・・・私は期待を裏切られた感があった時、格安SIMに興味をもって楽天モバイルユーザーとなりました。
わかりやすく低料金なサービスなので満足度は高いです。
この流れで楽天には事業の成功を期待しています。
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格安SIM業界はどうなっているか?
2018年4月現在、格安SIM業界で好調なのは、楽天モバイルとmineo(マイネオ)です。
楽天モバイルは2017年11月から旧FREETELのユーザーを受け入れた形で契約数が140万回線を突破しました。
また、メインの端末として使われているMVNOの中でも1位を獲得しています。
楽天ユーザーであればポイントで料金の支払いが可能だったり、通話料金が高くなりがちなMVNOの中で、かけ放題などのプランが充実していることが人気の秘訣だと思います。
mineoも100万回線を突破しましたね。
早くから独自のスタイルで人気のmineoですが、なかでも、「知らないユーザー同士でパケットを分け合える」という前代未聞のサービスがユーザー重視の姿勢だと評価されているようです。
では、au系のUQモバイルやソフトバンク系のY’モバイルはどうでしょう。
たしかに通信速度は速いし、最初はコストパフォーマンスに優れているのですが、2年目からは大手キャリアとそこまで大きくは変わらない料金体系となります。
このあたりの施策が大手キャリアと類似しているように感じてしまいます。