こんにちは。
2012年5月14日 ホンダが日本国内向けて販売を開始した250ccのデュアルパーパス「CRF250L」。
そのCRF250Lですが、開発のキーワードを「On(日常)を便利に、Off(週末)を楽しむ“ちょうどいい相棒 New On & Off Gear”」と定め、ビギナーからベテランまで幅広いユーザーが楽しく扱えるよう、トータルバランスと操縦安定性を徹底的に追求したマシンです。
2012年 発売時プレスリリース内容
市街地からオフロードまで幅広い使用環境で、軽快な走行が楽しめる新型の250ccオン・オフロードモデルCRF250Lは、エンジンに、低・中回転域で力強い出力特性の水冷・4ストローク・DOHC・250cc単気筒を採用しています。
オフセットシリンダーなどの低フリクション技術を多岐にわたって採用したことなどにより、燃費は44.3km/L(60km/h定地走行テスト値)と優れた燃費性能を実現しました。
フレームはCRF250L用に新設計され、軽快性と安定性を両立し、しなやかな走りを可能とするスチール製ツインチューブタイプを採用。
また、フロントサスペンションにはクッションストローク250mmの倒立タイプを、リアにはアクスルトラベル240mmのプロリンクサスペンションを採用し、市街地からオフロードまで軽快で高い走破性を実現しています。
そして、スタイリングはモトクロスマシンCRFシリーズを継承。
シャープかつアグレッシブさに磨きをかけ、新時代のCRFにふさわしいHondaのアイデンティティーを主張するデザインとしています。
2012年発売時のカラーバリエーションは、アグレッシブなイメージのエクストリームレッドと、クールなイメージのロスホワイトの2色となっていました。
両カラーとも車両本体価格は¥428,000-(税抜き)となっています。
CRF250Lの主な特長
エンジン
オンロードからオフロード走行まで扱いやすく力強い出力特性を目指しました。
低回転域から力強いトルク特性としながら、水冷・4ストローク・DOHCエンジンらしい高回転まで伸びのある出力特性を両立しています。
また、オフセットシリンダーやローラーロッカーアームなどの低フリクション技術を多岐にわたって採用したことに加え、電子制御燃料噴射装置(PGM-FI※)やO2センサーの搭載、マフラー内に装備した触媒装置(キャタライザー)との相乗効果により、高い環境性能を実現するとともに、44.3km/L(60km/h定地走行テスト値)の優れた燃費性能を実現しています。
※ PGM-FI(Programmed Fuel Injection System)は、Hondaの登録商標です
車体・足回り
新設計のフレームは、軽快なハンドリングと安定性を確保しながら、しなやかな乗り心地を実現するために、スチール製ツインチューブタイプを採用。
メインパイプは、楕円断面形状としたことで高い剛性とスリムな車体に寄与しています。
サスペンションは、フロントにインナーチューブ径43mm・クッションストローク250mmの倒立タイプとしたセパレート・ファンクション・フロントフォークを採用。
軽量かつ高い剛性を確保することで優れた作動性と高い操縦安定性を発揮します。
リアにはアクスルトラベル240mmのプロリンクサスペンションを採用するとともに、高い強度と適切な剛性バランスを確保したアルミ鋳造一体型のスイングアームによって、市街地からオフロードまで軽快で高い路面追従性を発揮します。
スタイリング
モトクロスマシンCRFシリーズのスタイリングの特徴であり基本思想でもある「マス集中“トライアングルプロポーション”」を継承しながら、さらに磨きあげたシャープでアグレッシブなデザインとしたことで、新時代のCRFにふさわしいHondaのアイデンティティーを主張しています。
タンクシュラウドからサイドカバー、リアフェンダーはフラッシュサーフェス化を図り、シャープなイメージを高めています。
また、マフラーカバーと左側のツールボックスは、サイドゼッケンをイメージした形状とし、デザインのアクセントとしています。
車体色は2色設定とし、アグレッシブなイメージのエクストリームレッドにはレッドのシートを、クールなイメージのロスホワイトにはシルバーカラーのシートを採用しています。
主要装備
精悍さを高めるヘッドライトバイザーと、視認性に優れたマルチリフレクターヘッドライト(60/55W)
燃料計や時計、トリップ/オドメーターを備えた多機能デジタルメーター
泥や石飛びなどからエンジンへのダメージを防ぐスキッドプレート
取り回し性に配慮した左・右で各45°のハンドル切れ角
荷物の積載に便利なリアフェンダー部の荷掛けフック
7.7L容量の燃料タンク
主要諸元 2012年モデル
通称名 | CRF250L | ||
車名・型式 | ホンダ・JBK-MD38 | ||
全長×全幅×全高(mm) | 2,195×815×1,195 | ||
軸距(mm) | 1,445 | ||
最低地上高(mm) | 255 | ||
シート高(mm) | 875 | ||
車両重量(kg) | 143 | ||
乗車定員(人) | 2 | ||
最小回転半径(m) | 2.3 | ||
エンジン型式・種類 | MD38E・水冷 4ストローク DOHC 4バルブ 単気筒 | ||
総排気量(cm3) | 249 | ||
内径×行程(mm) | 76.0×55.0 | ||
圧縮比 | 10.7 | ||
最高出力(kW[PS]/rpm) | 17[23]/8,500 | ||
最大トルク(N・m[kgf・m]/rpm) | 22[2.2]/7,000 | ||
燃料消費率(km/L) | 44.3(60km/h定地走行テスト値) | ||
燃料供給装置形式 | 電子式<電子制御燃料噴射装置(PGM-FI)> | ||
始動方式 | セルフ式 | ||
点火装置形式 | フルトランジスタ式バッテリー点火 | ||
潤滑方式 | 圧送飛沫併用式 | ||
燃料タンク容量(L) | 7.7 | ||
クラッチ形式 | 湿式多板コイルスプリング式 | ||
変速機形式 | 常時噛合式6段リターン | ||
変速比 | 1 速 | 3.333 | |
2 速 | 2.117 | ||
3 速 | 1.571 | ||
4 速 | 1.304 | ||
5 速 | 1.115 | ||
6 速 | 0.962 | ||
減速比(1次/2次) | 2.807/2.857 | ||
キャスター角(度)/トレール量(mm) | 27°35´/113 | ||
タイヤ | 前 | 3.00-21 51P | |
後 | 120/80-18M/C 62P | ||
ブレーキ形式 | 前 | 油圧式ディスク | |
後 | 油圧式ディスク | ||
懸架方式 | 前 | テレスコピック式(倒立タイプ) | |
後 | スイングアーム式(プロリンク) | ||
フレーム形式 | セミダブルクレードル |
※ 製造事業者/Thai Honda Manufacturing Co., Ltd. 製造国/タイ 輸入事業者/本田技研工業株式会社
2015年2月13日 カラーリング変更
発売から3年弱となる2015年2月13日、デュアルパーパスモデルCRF250Lはカラーリングの変更を受けました。
また、2013年4月に発売されたスーパーモタードモデルCRF250Mも、同じタイミングでカラーリングの変更が施されています。
エクストリームレッドはモトクロスマシンCRF250R・CRF450Rを彷彿とさせるストライプをシュラウド部分にあしらい躍動感を高めています。
ブラックはフレーム・フロントフォークのアウターチューブ・フォークカバー・ホイールリムにブラック塗装を施し、ストーリートで一段と映えるイメージに仕上げています。
CRF250Lのエクストリームレッドは価格据え置きの¥428,000-(税抜き)で、ブラックは¥10,000UPとなり¥438,000-(税抜き)
CRF250Mは両カラーとも¥466,000-(税抜き)となっています。
2017年2月20日 熟成図りマイナーチェンジ
■スロットルボディを大口径化・・・より扱いやすいエンジン特性とするために、スロットルボディーの口径を大径化するとともに、コネクティングチューブを100mm延長し、エキゾーストパイプの管径を拡大させることで、高回転域の出力向上と、力強い低速トルクの両立を実現しました。
■マフラー内部を3室構造から2室構造に変更・・・歯切れの良いパルス感を演出するとともに、マフラーの小型軽量化を図りました。
リア部分が軽量化されたことで、ダート走行時等ではライダーの負荷が軽減されると思われます。
エンジン型式はMD-38Eのままですが、車名・型式はJBK-MD38から2BK-MD44へと変更されています。
最高出力は23ps/8,500rpm → 24ps/8,500rpmへ1psのup。
最大トルクは2.2kgf・m/7,000rpm → 2.3kgf・m/6,750rpmとなり、低速からより太いトルクを発生させています。
■フルデジタルメーターの採用・・・スピードメーターには、タコメーターをはじめ、時計や燃料計、各警告灯などの豊富な情報を表示し、マシン状態の把握がより確実にできるようになっています。
■デザイン変更・・・リアフェンダーをシャープなデザインにするとともに、テールランプを新設計とすることで、軽快感と躍動感を演出しています。
■ローダウン仕様の追加・・・CRF250Lには、前・後のサスペンションを変更することでシート高を45mm下げ、足つき性を向上させたローダウン仕様のType LDも設定。
ノーマル車高が875mmなのでType LDは830mmとなり、ヤマハのセロー250やカワサキのKLX125とおなじシート高になります。
ちなみに前後17インチ仕様のスーパーモタードモデルCRF250Mのシート高は850mmとなっています。
2017年モデルの車体色は、CRF250L、CRF250Mともに、モトクロスマシン「CRF450R」を彷彿させるエクストリームレッド1色の設定となりました。
車両本体価格はCRF250L(Type LDもおなじ)が¥461,000-(税抜き)となり、¥33,000-(税抜き)の値上がりとなっています。
CRF250Mは¥499,000-(税抜き)なので、こちらもおなじく¥33,000-(税抜き)の値上がりとなっています。
2019年2月15日 カラーリング変更
発売から約7年とロングヒットとなったCRF250L。
2019年2月~3月にかけて、派生モデルCRF250 RALLYと同じ時期にカラーリングの変更を施したモデルが登場します。
2019 CRF250L(ブラックはType LD)
2019年2月15日発売の2019年モデルは性能面の変更は無し。
アウターチューブをゴールドからブロンズに、ホイールリム・トップブリッジ・ボトムブリッジ・ハンドルホルダーなどをブラックに変更。
車両本体価格は¥461,000-(税抜き)と、2017年モデルからの変更はありません。
2019 CRF250 RALLY(レッドはType LD)
CRF250Lのダカールラリー・レプリカともいえるCRF250 RALLYは少し遅れて2019年3月26日に発売となります。
車両本体価格は¥650,000-(税抜き)です。
最後に
2019年2月現在、日本のメーカーが国内で新車を販売しているデュアルパーパスモデルは、ホンダのCRFシリーズを除くとヤマハのセローくらいしかありません。
KTMのFREERIDEなど海外メーカーのオフロード車は性能は抜群なかわりに高額となり、日常の用途では少し持て余してしまいます。
CRF250シリーズの2019年型ではスーパーモタード仕様のCRF250Mが今回のカラーリング変更から省かれているのが少々気にはなりますが、日本国内向けにホンダが素敵なバイクを投入してくれることで、バイク熱を冷まさずに済みそうです。