便利なエンジン付きの乗り物の代表格といえばスクーターですよね。
また、耐久性や経済性で世界的な人気車といえばスーパーカブでしょう。
みなさんは、そんな2つの便利な乗り物の良いとこどりをしたバイクがあったのをご存知ですか?!
スポンサーリンク
スクーター(honda ジョルノ)とスーパーカブのハイブリッド・・・
その名も ジョルカブ(Giorcub)
Take Actionがテーマ 「Giorcub」
ぱっと見はただのスクーターのようですが、ジョルカブとはいったいどのようなバイクなのでしょうか?
まずは、ジョルカブの主要諸元を確認してみましょう。
HONDA Giorcub 主要諸元
通称名 車名・型式 全長(m) 全幅(m) 全高(m) 軸距(m) 最低地上高(m) シート高(m) 車両重量(kg) 乾燥重量(kg) 乗車定員(人) 最小回転半径(m) | ジョルカブ ホンダ BA-AF53 1.660 0.630 1.015 1.180 0.110 0.720 79 75 1 1.8 | |
エンジン型式 | AF53E(空冷・4ストロークOHC・単気筒) 49 39.0×41.4 10.0 3.9/7,000 0.41/5,500 110.0 (30km/h定地走行テスト値) PB3H キック式、セルフ式併設 CDI式マグネット点火 圧送飛沫併用式 4.2 | |
クラッチ形式 | 乾式多板コイル・スプリング 常時噛合式4段リターン 3.181 1.705 1.238 0.958 4.058/2.357 26°30′ /67 80/100-10 46J 80/100-10 46J 機械式リーディングトレーリング 機械式リーディングトレーリング ボトム・リンク式 スイングアーム式 アンダーボーン |
出力こそ低いものの、安心と信頼のスーパーカブに搭載されているエンジンをリセッティングしているので、耐久性は文句なしと言えるでしょう。
日常の足に使うには小さめのサイズと相まって、かなり使い勝手が良いと思います。
発売当初のコピー
1999年6月、ホンダは、新世代のスクーターとしてジョルノ クレアを発表いたしました。そして、 Clean=環境対応、Economy=経済性、Silent=静粛性、Tough=耐久性、をテーマに、クリーンな排出ガス、優れた燃費、静粛性を実現する水冷・4ストローク・単気筒49cm3エンジンを搭載しながら、女性や若い世代からも共感を呼ぶ、ファッショナブルで優しいスタイリングを持ったこのスクーターは、「人と地域、社会への調和」をめざし、幅広い層のお客さまに、ホンダの取り組みをご提案いたしました。
そして今回、4ストロークエンジン搭載スクーターの第二弾として、スクーターの乗りやすさに加え、ギアチェンジによる操る楽しさと、乗る楽しさを付加することによって、新しい価値観のコミューターの創造をめざし、「Take Action」をテーマに、ジョルカブを開発いたしました。
具体的には、既存のスクーターとは異なる「操る楽しさと乗る楽しさの創出」をめざし、開発をスタートさせました。
そして、1992年の初登場以来、若者の間でレトロブームのけん引役を果たし、現在もなお、高い支持を頂いている「ジョルノ」のスタイリングに加え、パワーユニットには、低燃費と耐久性に優れるスーパーカブの空冷・4ストローク・OHC・2バルブ・単気筒49cm3を組み合わせて採用することで、新感覚のコミューターを具現化しました。
カブのエンジンが搭載されたスクーター型のバイク
ぱっと見は何の変哲もない、かわいらしいスクーター。
それもそのはず、外観は同じホンダのジョルノというスクーターとほぼ共通なのです。では、何が違うかというと、あの伝説の名車、世界のスーパーカブのエンジンを使ってこの車体に載せてしまったのです。
いざジョルカブのシートにまたがってみると、あなたの目に入ってくる景色は世間一般のスクーターとは異なります。
スポンサーリンク
シーソー式ペダル採用
足下から何かが生えています。
そうです、これが噂のシーソー式のシフトペダルです。
革靴でも気兼ねなく左足でガチャガチャと前後に踏み込んで、ギアチェンジができるのです。
しかも、クラッチ操作は不要で、走りながらでも好きなタイミングでガチャガチャできます。
これは、スーパーカブなどで採用されている遠心クラッチという造りで、長年使われ続けています。
ジョルカブは普通のスーパーカブとは異なり、4速のギアを備えています。なかなか手の込んだ造りになっていますね。
エンジンは世界的に信頼されているカブ系統のものなので、スタートダッシュは少し苦手ですが、燃費は良いし、走りだしてしまえばなかなか快適な走りをしてくれます。
定期的にオイル交換さえしていれば、故障の心配もほぼ皆無でしょう。
一部のマニアなファンからは「オーバーヒート」という言葉がでますが、エンジン性能を高めるために、ボアアップやハイカムの取り付けなどのカスタムをしたときに起こるようです。
そのため、ボアアップするときにはオイルポンプの強化とオイルクーラーの装着が人気のようですね。
それでもまだオーバーヒートが気になる方は、エンジンの下にエンジンガードという部品が取り付けられていますので、それをはずして空気が当たりやすくしておけば良いと思います。
エンジンガードを外したら、クランクケースやマフラーがむき出しになりますので、段差に乗り上げないように注意して乗ってくださいね。
それから、ジョルカブには特有の親切装備がついています。
4速インジゲーター
おしゃれなメーターとインジゲーター
このメーターもビンテージ感があっておしゃれですね。メーターより前の方に、2つのランプが付いています。
この緑色のランプはニュートラルランプといって、ギアが入っていない状態の時に点灯します。
右側の青いランプは「今、あなたは4速で走っていますよ」と知らせてくれています。
なぜそんなことを知らせるのか?4速で走っている=それなりにスピードが出ていることになります。
ジョルカブでながい距離を止まらずに走っていると、ついもうひとつ上のギア(まぼろしの5速)に入れたくなるのです。
そうすると、ロータリーギアと呼ばれるこの種類のバイクでは、ギアがニュートラルに入ってしまい、エンジンを思いっきり空ぶかししてしまいます。
さらに、あせって次のギアを入れると、間違って1速(低速向けのギア)に入れてしまうこともあります。
どちらも危険な行為なので、今4速ですよ♪と教えてくれているのです。
私的には非常に親切な造りだと思い、現在通勤で使っているカブ系エンジン搭載車両にも取り付け可能であればぜひとりつけてみたい装備です。
ジョルカブのエンジンを他のカブ系エンジン搭載車に載せればこの4速お知らせランプをつかえるかもしれません。
ジョルカブのエンジンを手に入れたら挑戦してみたいと思います。
上の画像のように、同じカブ系エンジンでもジョルカブ用はセルスターターの位置が異なるようです。
また、ジョルカブ自体を街中でもほとんど見かけないのと、2018年になった現在ではメーカーが製造していないので、中古車の流通量以上に中古エンジンなどのパーツ流通量も極端に少ないと思われます。
モンキーやカブ系のエンジン搭載車はオークションでも安定した人気があるバイクなので、タイミングよく遭遇できたとしても程度が良いものは高額なイメージです・・・その中でもジョルカブに興味があって、もしバイク屋さんやWEB上に程度の良さそうな中古車があったとしたら、貴重な1台だと思います。
ホンダさん、またこんな面白くて使い勝手の良いバイクを開発していただけないでしょうか。